壱 異常
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しかし、傷口が目に入ると、思わず僕の動きが止まった。 白く、長い、綺麗な指先。傷口に水滴のように溜まる血液。 赤と白のコントラストが僕の脳髄を刺激する。その美しい傷口に、僕は……。 「しゅん君?」 唯の声に、ハッと我に返った。 危ない、何を考えていたんだ僕は。 凄く、頭が痛い。
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