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バタン。
扉の開く音。
反射的に僕は振り返った。
「あ……え……」
誰かが開けた扉にもたれかかっている。
その姿はとても苦しそうだ。
「はぁ……はぁ……。人……?」
女の子の声だ。とてもか細く、弱弱しい。
「あのっ。大丈夫ですかっ」
「来るなっ! くっ……誰だ、貴様。待ち伏せ……では、ないようだな……」
訳が分からない。待ち伏せ? 何を言っているんだろうか。
彼女は腕を押さえ、ゆっくりとこちらへ向かってくる。時々ふらついており、危なげだ。
「……人間、だな。ここから逃げたほうがいい」
彼女の姿が月明かりに照らされた。
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