参 困惑

4/6
前へ
/59ページ
次へ
 そう言うと、彼女はマグカップに口をつけた。  あのマグカップ、僕の宝物にしよう。うへへ。 「まさか、私が誰かに助けられるとはな。それも、人間……いや、同種にな」 「う……ごほっ、ごふっ……。どっ……同種? 意味が分からないぞ……」  声が出た。本当にすぐ治ったよ。まだ体は痛いけど。 「お前、何も知らないのか? 憶えていないのか?」  彼女は少し驚いたように聞き返す。 「変な奴が……ごほっ……ヘルメットを……脱いだところ辺りから……記憶がない。そうだ、あいつは? どうなった?」 「どうもこうも、お前が殺し、喰っただろう」  喰った……。  喰った!?
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加