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ミヤ先輩について何年何組とか名前とか。基本情報はひとつも知らないうちから。
その存在だけは入学直後、早々に。特殊人物として心に刻み込まれてた。
俺ら、どちらも原付通学組で。
毎朝、決まった時間。自転車置き場で顔を合わせてて。
推定身長185センチ。端正な整った顔立ち。 無造作に制服を着こなして。
そして何より目を引いたのは、襟足に金メッシュを入れた紫色の髪。
なぜかヘルメットを取っても崩れることのない、トップを盛ったヘアスタイルの相乗効果もあいまって。
その頭、どう見ても紫キャベツ以外の何者でもなく。
割合、ユルい校則の高等部の中でも。ミヤ先輩の派手髪はダントツトップで目立っていて。
天然緑髪野郎の俺に、こんなこと言う資格ないかもしれないけど。
真っ赤な原付にまたがり背中にはギターケース、イヤホンで音楽を聴きながら彼が登場するたび。
毎朝ひそかに、思わずにはいられなかった。
この人の頭の辞書にはシンプルっていう言葉。
絶対に入ってないんだろうな。って。
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