428人が本棚に入れています
本棚に追加
…とは、いうものの。
インパクトある容姿以上に。
彼の存在が、俺の中で特別な印象を残したわけでもなく。
そんなことより入学式の日から、怒涛のごとく始まった部活の勧誘。
幼稚部からの親友夢斗と、どこに決めるか悩みつつ。
「俺の趣味、料理なんだ。どうせついでだし、伊織の弁当も作ってきてやるよ」
代わりに、これから毎日。
ふたりきりでメシ食わない?
入学式翌日。隣の席の浜田から。
唐突に持ちかけられた弁当ご奉仕のお誘い。
恐縮しながら、断ったり。
「僕の家、美容室なんだけど…伊織君の髪、キレイに黒く染めてあげるよ」
だからさ、今度。
遊びにおいでよ。
その翌週。風紀委員の鈴木から。
切り出された髪色チェンジの件。
困惑しながら、拒否ったりするうちに。
あっという間に一ヶ月が過ぎていき。
中学部とは、また違った高等部ライフを何だかんだで楽しみ始めていた。
そんな、ある日…
最初のコメントを投稿しよう!