用意周到

6/35
前へ
/35ページ
次へ
そんな私の心配なんて全く気に止める様子もなく、海翔さんはインターホンに手を伸ばす。 ピンポーン。 軽快な音が聞こえたと思ったら、インターホンからではなく、玄関から『は~い』と言う母の元気の良い声が聞こえた。 恥ずかしい……。 だからいつもインターホンで返事をして、相手を確認してから玄関に出てって言ってるのに……。 それはもう、待ってましたと言わんばかりの勢いでドアが開いた。 「あらいらっしゃい、藤堂さん。さすが時間通りね」 「ご無沙汰しています」 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2047人が本棚に入れています
本棚に追加