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親衛隊隊長 鳴海彰side
夏宮が覚悟を決めたのか、ピリッとしたものが肌を伝う。……殺気か。
いくら銃を使った事がないとはいえ、この距離なら外す訳がない。例え運良く眉間は免れても体のどこかには当たるはずだ。
夏宮が引き金に指をかけたのが見えた。
……こうなったら、殺られる前に殺るか…。
痛みで感覚が無くなってきた足にぐっと力を込め、今にも踏み出せるように体勢を整える。
そんな俺に気づいたのか、夏宮が両手で銃を掴んだ。
「天誅ーーー!!神妙にお縄につけぃっ!!この桜吹雪が目に入らぬか!?悪い事する子には、月に代わってお仕置きよっ!!!」
いきなり扉が開いて、この場に不似合いなバカ丸出しの声が聞こえた。その声に少し安心して肩の力が無意識に抜けている自分に気付き、嫌な気持ちになった。
てか色々な台詞を引用しすぎて訳がわからない。一つにしろせめて。
「お、お前はバカか!!少しは空気を読め!今そんな雰囲気じゃなかっただろう!!」
「な、会長、いきなりバカだなんて失礼でしょうが!!だって珍しくシリアスのターン長いから、読者の皆様だってきっと嫌気がさしてると思って……!俺のお茶目且つ粋な計らいがわからないんですか!?」
「わかるか!つか、わかりたくもねぇわ!!」
「何だとコラ、俺様野郎!!」
「んだよ、やんのかコラ!!」
「まあまあ、会長もマキマキも落ち着いてぇー……あ、隊長サン、無事ぃー?王子様の登場だよー!」
今にも言い争いにでも発展しそうな真樹と会長を押し退け、会計まで出てきた。
つうかこっちに手振んなよアイツ。……コントみたいな登場だな……
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