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保健室に着いて、中に入る。何度か副会長を捨てようとするたびに真樹に止められた。
「おっ、鳴海じゃねぇか。何だ、俺に用事か?お前が来るなんて、珍しいな...嬉しいぞ、歓迎してやる」
「ああ、いえ。用があるのは私ではなく、これ.........こちらの方です」
コイツは如月昴。何か無駄に顔整ってんだよな、保険医のくせに。短めの暗い金髪にピアスにくわえタバコ。しかし人相は悪い。...よく言えば強面?と言うらしい。真樹が何か言ってたな、そういえば。
何かと俺に絡んでくるし。何故かはわからないがどうやら気に入られているらしい。...俺を好意的に見てる人間なんて珍しいけどな。
とりあえず邪魔で仕方なかった副会長を少し乱暴にベッドにおろした。...やっと軽くなったな。
「何だよ生徒会のイキリ眼鏡じゃねぇか.........チッ.........胸糞悪ィモン見た」
そして、この保険医だが...更に珍しい事に、生徒会の事が嫌いらしい。保険医曰く、「年端もそこまでいかないガキがふんぞり返ってっから腹立つ」だと。
「後は頼みました。では」
「あ、もう行くのかよ?」
「.........ここに留まる理由はありませんが?」
「鈍いヤツだな.........俺ともっと一緒にいたいとか思わねぇの?」
「いえ全く露ほども。ではお願いしますね」
「あ、おい.........少しはデレがないと可愛くないぞー?」
「どう思われようが結構です。というか、男の私に可愛さを求めないでください」
「だって、お前、せっかく綺麗な顔.........て、オイ」
俺は保険医を完全に無視し、保健室を後にした。本当に何で気に入られたのかわからない。
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