害悪退治

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しばらくして、落ち着いたらしい夏宮が赤く染まった目を擦りながら立ち上がった。 「……鳴海様には、本当に申し訳」 謝罪の言葉を述べようとした夏宮を止めて黙らせる。謝られても何にもならないしいらない。 すると、先程まで珍しく静かだった真樹がいきなり動きだし、つかつかと夏宮の前に歩み寄った。 「……真樹?何を…」 「夏宮、彰を轢いたヤツに命令してたのはお前か?」 その言葉に夏宮の目が大きく見開かれた。そして小刻みに震えだしたのを見れば、それは肯定しているようなものだろう。 というか何で真樹がそんな事を……俺は轢かれた事を言ってないし、ましてや夏宮の命令だと? 「オイ、鳴海を轢いたというのはどういう事だ」 いきなり話に食いついてくる会長が鬱陶しい。真樹もだが、せっかく丸く収まりかけてるのに蒸し返すような事するなよ。 ……第一、そんな自分の罪を重くするような事言う訳が 「……そう、僕だよ。転校生を痛め付けるには鳴海様が邪魔だった。だから鳴海様に怪我を負わせてあわよくば入院でもしてもらおうと思ったんだ。…だからそういう仕事を生業とするヤツに金を払って鳴海様を轢くように頼んだんだ」 ……なぜそんな事を言うんだ?それに関しては俺は今更蒸し返すつもりもないし、お前が黙っていさえすれば……なのに何で……
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