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夏宮達が出ていってから、俺と真樹と生徒会が残された。
真樹が何故俺が轢かれた事を知っているのかとか、もうそんな事どうでもいい。
とにかく、早く帰って休みたい。コーヒーでも飲みながらゆっくりしてぇな…。
「……真樹、帰りますよ」
そして俺は最後の力を振り絞り、出口へ向けて歩きだした。
……思っていたよりヤバいかもしれない。体の感覚が無くなっていっている。血を流し過ぎた。
とにかく包帯を付け替えねぇと……見てはいないが、じゅくじゅくと漏れだす血が包帯を湿らせているのを感じる。
色々な所から血が漏れだして、あのなんとも言えない不快な生暖かさに包まれている。
自然と早まる足に身を委ね、そのまま早足で出口を目指す。
と、いきなり誰かに後ろから左腕を強く掴まれた。
……左腕は、怪我が、一番ッ……!!
咄嗟に振り返ると、俺の腕を掴んでいたのは会長だった。
「……会長……何か…?」
つうか、何いきなり人の腕掴んでんだコイツ……
「怪我、してんだろ。見せろ」
「……だから、大丈夫だと言ったでしょう」
「嘘をつくな」
そう言うなり、会長が俺の腕を掴んでいる手に力を込めた。
「ッ……いッ…………」
腕から全身に電流に打たれたような衝撃が走り、その想像を絶する痛みに思わず声がもれた。
つうか本当に何しやがんだコイツ……!!会長って立場じゃなかったら絶対ぶん殴ってんのに……!
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