害悪退治

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「……」 痛みに悶絶している俺を見た会長が、何を思ったのか、どこからかナイフを取り出し俺の制服を裂き始めた。 掴んでいる左腕だけでは飽きたらず、左腕を終えると次は前からも裂き始める。 目の前で行われるあり得ない行為に一瞬言葉を失いかけるが、すぐに意識を覚醒させた。 「ちょっ…と……会長、何、を……」 「…………これは……」 制服が裂かれた事で露になった傷口に、会長や他のヤツらが息を呑むのがわかった。 まあ、傷口開いて血塗れだしな。皮膚とか捲れてぐちゃぐちゃだし。 「……もういいですか。離し…………っい!?」 いきなり、地面についていた足が地面から遠ざかり、体がふわっと浮いた。 ……何で、浮いて……?……遅れて、自分が会長に抱き抱えられたのだと気づいた。 いわゆるお姫様抱っこ……というヤツだと理解するまでに、そう時間はかからなかった。 だが、それと同時に羞恥で自分の顔に一気に熱が集まるのを感じた。 「っオイ、何してっ……」 「黙ってしがみついてろ……舌噛むぞ」 俺を抱いたまま、ずんずんと歩きだした会長に必死に抵抗するが、一向に俺を離そうとしない。 「俺……私は大丈夫だって言ってるでしょう!!……降ろしてください!……何で、こんなっ……」 素に戻りかけたが、何とか軌道修正した俺を誰か誉めてくれ。
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