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暴れだしそうになるのを必死に堪えて大人しくしたまましばらく経つ。気づくと校舎を出ていた。
会長はその間少しも疲れた素振りを見せなかった。何かムカつく。
どうやら校庭を目指しているらしく、会長の足取りには迷いがない。
と、バラバラバラバラと他の音全てを打ち消すようなバカでかい音が聞こえてきた。
聞き覚えのある音に一瞬ありえない考えが浮かぶが、すぐに消した。……まさか、ありえない。
「…………来たか」
オイ待て待て待て待て待て冗談だよな?なあ誰か冗談だって言ってくれよ、オイ……!!
……何で学校の校庭なんかにヘリが来るんだよ……っ!?つうか、予感的中じゃねぇか……
俺達が見つめる中無事に校庭に降り立ったヘリに向けて歩き出す会長。
「もう安心しろ。俺の家の専属の医療ヘリだ」
「いや何で安心できるんだよ!?つか、何でわざわざこんな所にヘリなんか呼んでんだよ、バカかてめぇは!!」
他のヤツらが少し遠くにいて、その上ヘリがうるさいので、思わず会長に素で話しかけてしまった。
「お前の傷を治療するために決まっている。……本当はちゃんとした病院に連れて行ってやりたいけど、んな時間無さそうだからな」
「にしてももっとあるだろ、せめて救急車とか!……めちゃくちゃ目立ってんじゃねぇかよ!!!」
「まあ、俺にかかればな……目立つのはしょうがない」
「意味わかんねぇ……!!!」
「何だ、ヘリをこんなに間近で見たのは初めてか?そんなに喜ぶなよ」
「どこを見たらそうなるんだよ、ちゃんと目ぇついてんのか……!?」
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