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次の日。教室で授業を受ける気になれず、部屋に引きこもっていた。
この学校のいい所は授業サボっても成績さえよけりゃ許される所だな。
1日中学校の至るところに仕掛けてある防犯カメラの映像を眺めていた。勿論仕掛けたのは理事長だ。
そして放課後。ふと目をやったカメラに何かが映る。誰もいないはずの廊下に不審な人影がある。
「……これは」
何かを警戒しているような、いかにも怪しい副会長らしき人物が一人で校舎内を早足で突き進んでいる。
そのまま副会長が向かったのは正門。どうやら無断で外に出る気らしい。
にしても坊っちゃん連中の中でも生徒会に入るようなレベルの金持ちのアイツが人も連れずに外出……ってのは少し危なくねぇか?
別にアイツに何があろうとどうでもいいけど、何かあった時の親衛隊のヤツらのケアがだるいな。
……仕方ねぇな……とっとと連れ戻しちまうか……
……せめて大人しくしてろよ……仕事増やしてんじゃねぇよ。
ため息をつき、俺は重たい腰を上げて部屋を後にした。
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