日常壊滅

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~副会長 行永茜side~ 学校を抜け出して私が向かったのは普段なら立ち寄らないであろう場所。 もう日も暮れて、夜と言ってもおかしくない時間帯なのですが……街はこんなにも人に溢れています。 学校にいる時には知る事のできないであろう物珍しい出来事に出会えるのが嬉しくて、ついついいつもよりも更に長い時間を過ごしてしまったようです。 辺りは完全にとまではいかないものの闇に包まれていて、昼間とはまた違った雰囲気ですね…… その時急に海が見たくなり、私は海へ向かう事にしました。……まぁ、理由はわかりませんけど。 しばらく歩いていると、磯の香りが鼻腔をくすぐり、なんとも言えない不思議な気持ちになりました。 海は当たり前と言ってもいいほど何も見えず、近場でさえぼんやりしていて、ずっと眺めていると吸い込まれてしまうような錯覚がします。 ふと海を眺めながら……海はまるで私自身を表しているようだと思いました。 はるか先まで続いている筈なのに、どうやっても先の見通せない海。 ……本当に私のようです。 私は……何がしたいのでしょうか。 ……誰にも言った事はありませんが、私は一時期両親に反発していた時期がありました。 あの頃の私はまだ幼く、両親の言う事にただただ素直に従う毎日に嫌気がさしていたんです。 色々なモノを見限って……夜になるたびに街を徘徊していました。 こう見えて私を含めた生徒会メンバーは武術や格闘技の類いは一通り習っていたので、そこそこは戦えるんです。 だから例え夜の街がどれほど危険であろうが心配はしていませんでした。
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