日常壊滅

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「……ねぇ、副会長……」 「……何ですか」 「……隊長サンをさ…どう思う?」 那都の言う隊長……とは、大方鳴海彰の事でしょう。 那都はあの人と話をしてから少し変わりましたね、そういえば…… チャラけた言動は変わっていませんが、仕事にきちんと取り組むようになったり…………何にせよ気味が悪いですが。 「……別に、何とも」 これは、私の本心です。いえ、本心の筈で……私は何を言っているのでしょうか。 悪い噂の絶える事のないあの方はある意味想像通りで、ある意味私の意表をつくような人でした。 いつでも無表情で、たまに浮かべる微笑は完璧なのに、どこか胡散臭くて……別に、私と同じだなんて思っていませんからね。 ……とりあえず好ましくない人である事は確かですね。 それに、雪に制裁をするように命令をするような人ですし。 あの人に対する考えを色々浮かべていると、隣の那都がおもむろに口を開きました。 「……俺さー……好きかも、なんだよね…………隊長サンの事」 那都の突然の告白に、私は海に落ちるかと思いました。……というか落ちなかった事を誉めていただきたいくらいです。 「…………それは、鳴海、さんの事をですか?」 何となく何と呼んだらいいのかわからず口に出したのは、あの人の名字。……何だか不思議な感じですね。呼び慣れない名前ですから。
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