日常壊滅

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………………馬鹿馬鹿しい。そうだとしても、だから何だと言うのでしょうか。 雪があまり深入りしてまでは咎めたりしない?……だから?……それでも私は雪が好きです。 あのあどけない笑顔も、素直な言動も、すべて。 ……それに比べてあの人は、表情も乏しいし、言動だってどこかひねくれていて…… 雪とは全くの真逆です。 「……俺さ、笑った顔がなぁんか嘘っぽい人、副会長以外で初めて見たんだけどさ……何でか、隊長サンだけは、何とかして本当の笑顔が見たい……ていうか見てやる!って気になるんだよねぇ……あと気づいたら目で追っちゃうし……いっつも隊長サンの事考えちゃうし…………これって恋デショ?」 「……知りませんよ、私に聞かないでください」 「それにさ、面白くない?隊長サンって」 「……どこが?」 「俺達相手にも全然動じない所とか」 「それは雪だって」 「確かにそーだけどぉ……何て言うんだろ……雪チャンは対等に……だけど、隊長サンは何となく上から接してくるでしょ?俺達相手に上からだよ?……もー、面白すぎ。大好き」 「……見下されて喜ぶなんてつくづく変態ですね、貴方は」 「あ、ひどい。でも否定はしないよー?……ま、副会長が隊長サン好きじゃないならいいんだけどねぇ……ライバルは少ない方がいいしー……ま、どれだけいても負ける気ないしねー」 そう言って楽しそうに笑う那都を見て……こんな那都を見たのはいつぶりだろうとふと考えました。 ……あの人には、私が知らない何かすごい魅力でもあるのでしょうか? …………あの人なら、私のこの胸の靄を取り除けるのでしょうか?
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