日常壊滅

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ふとそんな事を考えた時。 「そこのお兄さん達ぃ。ちょぉーっとだけお時間いいかなー?」 いきなり後ろからかけられた声に振り返ると、そこには那都に負けない程……いえ、比べ物にならないくらい頭の軽そうな男達がいました。 …………どうも最近、こういう輩に絡まれる事が増えている気がします。 「お兄さん達の制服さー、あそこの金持ち校のだよね?よく病気のガキとかに寄付したりしてる……恵まれない俺らにもお金恵んでくんない?」 「お前が恵まれてないのは頭と顔だけだろ、ぎゃはははは!」 「うっせ、黙れ!……じゃあ、とりあえず有り金全部置いて消えてくれるー?」 「病院にいるようなジジババ共とかを片っ端から殺っちまえばもっと住みやすくなんのによー」 「つうか、年寄りって何で生きてんの?迷惑じゃね?年金暮らしとかしてんじゃねぇっつの。潔くくたばれよ」 「あ、それ言えてるー!自分じゃ何もできないくせにさー」 ……下卑た笑い声を聞いていると、不愉快な気持ちになってきました。 最近ただでさえ苛々する事が多いのに、追い討ちをかけなくてもよいのではないでしょうか… 見た目や話し方だけでなく、話の内容までバカげているなんて救いようがありません。 「……失礼ですが、貴方達に恵む事のできるような無駄金なんて持ち合わせていませんので、速やかにお引き取り願えますか?」 私のその言葉に、バカみたいに笑っていた彼らが一斉に表情を消しました。 ……ああ、どうやら怒らせてしまったようですね。
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