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「何言っちゃってんの…はァ?どこぞの死に損ないのガキに恵む金はあんのに俺らには一文たりとも渡せねぇってのか?」
「病院にいるような生きてるか死んでるかもわかんねぇようなジジイやババアのが俺らより偉いってのか、アァ!?」
……わからない人達ですね……そんな当たり前の事聞くまでもないでしょう。
口を開きかけた私を手で制し、遮るようにして前に出た那都が男達と対峙しました。
……あの気持ち悪いくらいに嘘臭い笑みは……
「うん、そうだよー、比べるまでもないよねぇ。ていうか、君らみたいなのが勝ってると本気で思ってんの?やっだー、その冗談超笑えちゃうー。イターイ。そんな冗談ほざく暇あったらまずは人間になって出直してきたら?」
あくまで普段とトーンは同じですが、どこか粗暴な物言い…………これは……本気で怒っているみたいですね。
「っっっだとコラァァア!!!」
「俺らが人間じゃねえってのか!!?」
「君ら以外誰がいんのー?もー、人語通じないとかありえなーい……これだから違う種族は嫌だよねぇ……ていうか、人語もどき喋らないでくんないかなー?頑張って同じ言葉喋ってるつもりかもしんないけどぉ、喋れてないからさぁ、耳障りなの。不愉快だから黙って突っ立っててくんない?君らにはそれくらいしかできないデショ?あ、それともそんな事もできない?あー、難しい事言っちゃってごめんねー」
……相変わらず人の神経を逆撫でするのが上手いですね……
そういえば那都は家族の中ではお祖母さんを一番溺愛していましたね……そのお祖母さんは今病気で入院されてるらしいですし……
彼らの物言いに腹が立っても仕方がないですね……私でさえこんなに腹立たしいのですから。
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