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「……バカにされて笑い出すなんて……貴方達は本当に変な人達ですね……」
心底訳がわからないといったような鳴海彰の声にまた一層笑ってしまったのは言うまでもありせん。
……何故でしょう。確かに暴言を吐かれたのですからここは怒る所なのかもしれません。……いつもの私なら怒っていたと思います。
ですが、"バカ"と"考え無し"そのどちらもが自分にやけにあてはまっている気がして笑いが止まりません。
......それに、そんな事を、よもやこの私達に面と向かって言えるような人がいるだなんて、思いもしなかったんです。
その時何故か先程まで燻っていた心の中の靄が少しだけ晴れた気がしました。
……自分が今まで悩んでいたものが世間ではとてもバカらしい事だと気がついたのです。
……気づく要因となったのがこの人なのは多少ひっかかりますが……
何故か不思議と不快ではありませんでした。
この場にいたのが雪ならば、きっと自分の事のように頭を悩まして私達の悩みについて考えてくれたでしょう。
雪は優しく素直な子ですからね。
……ですが、それではダメなんだと思います。
私達が悩み苦しんでいる事は世間ではとるに足らない事で……
悩むだけ無駄なんだよと、ハッキリ教えてくれる人が必要なんです。
何をそんな事で悩んでいるんだと一笑してくれる人が必要なんです。
でないと私達は気付けないし、いつまでたっても前には進めない。
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