日常壊滅

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「……よくわかりませんが、早く学校に帰ってください。迎えの車は用意していますので」 そう言い、合図するように視線を送ると、二台の車が物陰から出てきた。 どちらも言うまでもなく高級車で、値段は…………まあ、一軒家が買えるくらいだ。 運転しているのはコイツら二人の専属ドライバーらしく、コイツらが無断でいなくなるものだから心配していたらしい。 ……本当に迷惑なヤツらだな、生徒会は…… コイツらに迷惑かけんのはいいけど、俺にまでかけてんじゃねぇよ 俺がため息ばかり洩らしてしまうのも仕方がないだろう。 二人が車に乗り込むのを見届けてから、背を向けて帰ろうとした時。 「あれ、隊長サンどうやって帰るの?」 「...行きと同じで、歩いて帰りますが」 「えー、じゃあ乗っていきなよ。送るから。迷惑かけたお礼だよー。ていうか、まだ帰したくなーい」 駄々をこねる子どものように唇を尖らせ、俺の方を見つめる佐伯。 ......ふざけるなお前はよくても俺は嫌だ。お前と一緒の車で帰るなんて。 そんな事するくらいならこのまま散々歩き回って足を潰した方がマシだ。
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