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「……友達…………今は、それでもいいよ。……隊長サン、わかってくれる?」
「……私は貴方が嫌いなのに?」
「……うん。絶対、好きになってもらうもん。隊長サンは仕事できる子が好きだよね?……俺、実はできる子なんだよ。知ってた?」
「……初耳です」
「じゃあ、見てて。これからの俺を。目を離さないで。俺から。…俺だけを、見てて」
……佐伯も佐伯なりに変わろうとしているのか。
仕事をおろそかにし、情事にばかり現を抜かしていると、いい噂をあまり聞かなかった。
だが確かに最近は佐伯のそういう噂は聞かないな……生徒会自体が変わったという話さえ流れるほどだ。
「…………出来るんですね?」
「信じて」
「……………………信じてあげなくもない、ですよ」
「……ホント!?」
急に、佐伯が俺から体を離し、俺の顔を見つめる。
さっきまで沈んでいたのが嘘のように嬉しそうな顔をする佐伯に思わず笑ってしまう。
「ふ……単純な人ですね。信じてもらえただけでそんなに喜ぶなんて……」
「…………~~っ……!!!」
「…………?……何ですか、まだ何か?」
「……隊長サン、今のっ…………っ……反則……」
「何がですか…」
「……確かにすっごい綺麗な顔だけど……笑った顔がこんなに可愛いなんて、聞いてないよ……」
「……?……何か言いましたか?」
「な、何にもっ!!」
うっすら頬の赤い佐伯が、ぷいっと俺から顔を逸らした。
……本当にガキみてぇだな、コイツ……
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