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「そこまでですよ」
ふいに割り込んできた声に気をとられた瞬間、佐伯の腕から引き剥がされるように解放された。
と、背中に硬い感触。何かと思い見上げると、どうやら副会長だったらしい。俺を支えるようにして、背後に立っている。
コイツもたまには役に立つじゃねぇか。
「あーっ、副会長ひどい!ここからがいい所なのに!!」
「那都……貴方は公衆の面前で何をやっているんですか……心配だから鳴海……さんを送っていきたいと言っていたのに、行動が思い切り矛盾していますよ」
「だって隊長サンの抱き心地ヤバいんだもん!……すっぽり腕の中に収まるし、何か柔らかい気がするし……しかも、何かいい匂いだし……俺が触る度に怖がってるみたいにぴくって反応するのもたまらないし……もう女の子なんか眼中に無くなるくらいだよ!!」
「……………………」
「……鳴海さん、落ち着いてください。那都は昔からああです。拳をおさめてください」
「離してください、副会長。あの人の顔面に一発叩き込まないとストレスで死にます。一発だけなので、大丈夫です」
「やだ、隊長サン、一発とかえっちー!!…でも、隊長サンとなら……一発と言わず……なんて、キャー!!」
「……………………」
「鳴海さん、だからやめなさい。拳を、拳をおさめてください」
「もう無理です、あの人をぶち殺さないと腹の虫が収まりません。あの人を殺して、責任をとって私も死にます」
「えっ…………心中……?………………やだ、隊長サンってば、熱烈……」
「……………………………………」
「もうお願いですから黙りなさい那都!!!!!!!」
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