伏兵参上

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「……見たらわかるだろうけど、今日からこのクラスに佐伯と行永が入ってきた。あんまり騒がないようにな」 担任のその言葉にクラス中が沸いた。そんなに嬉しいものなのか? 「……じゃあHRはとりあえず終わりだ…………鳴海、ちょっとこの後来い」 ……呼び出し?…何かしたか?いや、見に覚え……しかないな、うん。 ひとまずHRが終わった後、俺は廊下にいるらしい担任の元へ向かった。 壁にもたれ掛かるようにして佇んでいるだけだけど様になってんな。 真樹が「ホスト教師ktkr」とか騒いでいた意味が少しわかった気がする。まあ、見た目はホストっていうよりはヤンキーだけど。 「……竜ヶ崎先生」 竜ヶ崎桐人。俺のクラスの担任。俺を嫌っているみたいで、たまに俺を黙って睨んでいる時がある。 「……来たか」 「ええ。ご用件は」 コイツとまともに会話をするのは初めてかもしれない。なんて考えながら担任を見つめた。 「……クラスに、生徒会が来ただろ。………お前は親衛隊隊長だし、居心地悪………色々あるだろうけど、あんまりあの二人の事気にするなよ。疲れるから」 担任のそんな言葉に少し驚いた。 俺は親衛隊隊長だし、噂も絶えないから教師陣には基本的に嫌われてて大体干渉はされないんだが…… まさかこんな言葉かけられるとは……あからさまにしてる訳じゃないが……心配してる……んだよな? そういった言葉をかけられるなんて予想していなかった俺は思わず一瞬固まってしまった。 そんな俺に気づいたのか、担任は面倒そうに頭をかきながら、目線をさ迷わせた。
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