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~担任 竜ヶ崎桐人side~
鳴海と別れ、職員室へ続く長い廊下を一人で歩く。
歩き慣れたこの廊下。歩けるようになったのはいつからだったか。
俺は昔、少しだけ荒れてる時期があった。
族潰しとか色々……まあ、これ以上は言えねぇかな。若気の至りとはいえ恥ずかしいからな。
俺はそこそこ名のある家の嫡男だったから、昔から両親に跡継ぎになるべくして育てられた。
勉強は嫌いじゃなかった。元から要領がいい方だったからむしろ得意と言ってもよかった。
だけど、自分が今必死こいてやってる事が全て両親の地位の安泰の為だと思うと、何となく納得がいかなくて。
今思えばあの時はただの反抗期だったのかもしれない。けど、まだガキだったからそんな事わからなくて、いつもイライラしていた。
自分の人生が親のためだけにあるんじゃねぇかって思って……親のためだけに過ごす人生なんてあり得ねぇって思い始めた。
そのうち両親に反抗するようになった。
言う事には従わず、勉強なんかも一切やめて、ひでぇ事言ったりととにかく荒れた。
髪を銀色に染め、家を抜け出して夜な夜な街を徘徊するようになった。
ずっと家に閉じ込められてきた俺には外の世界は新鮮で楽しくて仕方がなかった。
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