邪魔者襲来

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転校生の態度に、会長が怒るかと思った.........が。 「.........へぇ。俺にその態度.........面白い......お前、気に入った」 そう言うと会長はそのまま無理やり転校生を引き寄せると、噛み付くようにキスをした。......何かこの光景デジャヴだな。つうか何だこれ。何を見せられてんだよだから。 「来たー!!王道転校生二つ目の王道展開......食堂で、会長との.........キス...!!あ、やっぱりディープの方.........はわわ......水音がエッチ......まさかこんな、間近で見られるなんて.........も、もう俺、いつ死んでもいい.........」 ここがこの世の至福と言わんばかりに喜んでいる真樹が気持ち悪い。...一思いに俺がやってやろうか。 「っ.........っは.........い.........きなり、何すんだ、よっ!!!」 キスをされた羞恥からか顔を赤く染めた転校生が、距離を取りつつ会長を睨み付ける。 「お前を気に入ったと言っただろう。......俺のモノにどうしようが、俺の勝手だ」 そう言って不敵に笑う会長を見て、周囲が悲鳴のような声をあげる。 中には真樹のように、その様に興奮しているヤツもいるようだ。 .........あれのどこがいいんだ本気で。あんなのただの顔がいいだけの変質者だろ。今すぐ捕まってもおかしくない。 ...つうか人の事は何も知りもしないくせに噂だけで散々淫乱とか何だと罵っておいて、自分は初対面のヤツにいきなりキスとはいい度胸だ。どっちが淫乱だどっちが。 「なっ.........っざけんな!!お前なんか誰が!!」 「お前に拒否権なんかねぇ。この俺が決めたんだ、それがルールだ」 「.........怜、さっきから調子に乗らないでください。雪は私のですから」 「はあ?俺のだろ」 「いいえ、雪は私が先に出会ったのですから私のモノです」 「ていうか、どっちのモノでもねぇよ!!おおおお、お前ら頭おかしいんじゃねぇの!?どっちも初対面でいきなりキスなんてしやがって...!!」 今だけ転校生に同感だ。だが転校生の言葉なんか聞こえてないのか、二人は言い争いを始めた。......不毛にも程がある。 そしてそれを楽しげに眺める.........この頭が軽そうなのは会計だな。...佐伯那都だったか。確か会計は二人だったはず。 金髪にピアスにガバガバに空いた胸元.........校則って言葉知らないのか?...まあ、生徒会には校則なんて無いに等しいが。
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