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でもそんな生活が続くはずもなく、ある日俺が昔やったヤツらが集団でやってきた。
皮肉だよな。俺が来るまでいがみ合ってたヤツらが、俺にやられた事で結束してんだから。
いきなり路地裏に連れ込まれた後は、多勢に無勢でボコボコにされた。
今までの恨みや鬱憤がつまってますって感じに鉄パイプやら何やらでめった打ちにされた。
何度か意識を飛ばしそうになったが、そこはなけなしのプライドで何とか耐えた。
しばらくして満足したらしいヤツらは俺を引きずり回し、ごみ捨て場に放り捨てていった。
指一本動かせなくて。体の節々はずきずきと鈍い痛みを放ち、多分骨も何本か、イってた。
何より、最後にナイフで裂かれた腹からの血が止まらねぇ。
初めて、死を感じた。俺はこんな所で死ぬために今まで生きてきたのかと。……本当に、クソみてえな人生だったな。
もう何もする気が起きなくなった俺は、静かに目を閉じた。
……しばらく経って、足音を聞いた気がした。
こちらに歩み寄って来ているような、規則的な足音。
けだるさを感じつつ薄目を開けると、そこにいたのは、金、みたいな茶色みたいな不思議な髪の色をしたやけに顔の整ったガキだった。
「……アンタ、ごみ捨て場で寝るのが趣味か」
ふいにかけられた声は、声変わりの途中みたいな中途半端な高さだったが、不思議と心地よく耳まで響いた。
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