4326人が本棚に入れています
本棚に追加
そして俺は今まで自分にあった事を全部包み隠さず話した。
家の事、両親の事、なぜこんな事になったのか……全部、全部だ。
俺が話している間、コイツは茶々を入れるでもなく、黙って聞いていた。
何で話してんだ、俺……って途中で何度も考えた。何で、会ったばっかのこんなガキに……って。
でも一度話し出したらもう止まらなくて。ずっと溜め込んでいたモノが溢れるように口から止めどなく流れた。
「……それで全部か」
「ああ…………悪ィ、こんな事……でも、止まらなくて……すまん」
何もかもが嫌だった。俺の家も両親も両親に従っていた弱い自分も反抗するしかできない不甲斐なさも。
誰かに話したら楽になるんじゃないか……って。つくづく甘いよな。
「……アンタ、見かけによらず……いや、見かけ通りにバカだな」
「…………え」
「親の言いなりになるのが嫌?自分が親のためだけに生きている気がして嫌?だったら何で家を捨てない。何でアンタはいつまでもその嫌な家に帰って嫌な姓を名乗ってんだよ」
「そ……れは……」
「それは何だよ。結果的に、一人じゃ生きられないからだろ?その家から離れたくても離れられねぇんだよな、アンタは。そりゃそうだ。もし離れたら生きていけるかわからねぇからな」
「違っ……」
「違う?何が違うんだよ。だったら一人立ちしてみろよ。自分で自分養う事もできないようなヤツが調子こいてんじゃねぇ。一人で生きていきたいなら、一人でも生きていける術身に付けてから言えよ」
最初のコメントを投稿しよう!