伏兵参上

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それから俺は必死こいて勉強して教師になった。この学校に来て、しばらく経ってからだ。鳴海が俺のクラスに来たのは。 最初に名簿を見て鳴海彰の名前を見つけた時は、心臓が止まるかと思った。もしかして、彰なのか?彰にまた会えるのか?と。 期待と不安に胸を膨らませ、教室に行くと。そこにいたのは。 黒い髪に黒縁の眼鏡、きっちり着こなした制服に身を包んだ真面目そうなヤツだった。 彰のあの綺麗な髪は?……彰じゃ、ない?でも名前は……混乱して結局声はかけられなかった。 しばらく経ってから、鳴海は生徒会長の親衛隊隊長で色んな悪い噂がある事を知った。 おまけに言動は丁寧で、敬語だし、いつも笑みを浮かべていて。 彰の少し荒めの口調、何を考えているのかわからない感情のあまり籠められていない顔と重ならない。 同姓同名なのか?でも、鳴海彰で、今ちょうど15~16歳。……考えれば考えるほど彰と条件が被っている。 それから、何となく鳴海から目が離せなくて。いつも気づいたら目で追っていた。 それでふとした時に、鳴海が本当は生徒会を毛嫌いしていると知った。じゃあ何で親衛隊に?とか、疑問は増えていくばかりだった。 そんな時、いきなり生徒会のヤツらが二人編入届けを出している事に気づいた。何故……とは思うが、生徒会に逆らうのも色々面倒だから、とりあえず入れておいた。 どうせ目当ては転校生だろうと思っていたが、ヤツらの目当てはどうやら鳴海だったらしい。 ちょっと待て、生徒会は今まで鳴海を嫌っていただろう、何で……と戸惑う俺を他所にヤツらは嬉々として鳴海に話しかけていた。
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