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だけど近くの席に来たヤツらを見て、鳴海が心底嫌そうな顔をしているのを俺は見逃さなかった。
その後思わず鳴海を呼び出していて。話す事も決めていないのに連れ出してしまって正直焦った。
俺からの初めての呼び出しに警戒しているような鳴海に、生徒会を気にするなとか訳がわからない事を口走った。
コイツは表では生徒会大好きで通っているのに、俺がそんな事を言うのはおかしいとは自覚しながらも。
でも鳴海は俺のそんな言葉に疑問を感じるでもなく、ただただ驚いた顔をしていた。
そんな鳴海に、少しだけ彰の話をしてしまった。終始きょとんとした顔をされたけど。
その顔が何故か普段の隙のない感じと違って、可愛くて…………て、何言ってんだ、俺は。
鳴海に変に思われたかもしれない。
もしかしたら、鳴海は彰かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
それでも、俺はどこかで鳴海は彰だって思ってる。……いや、そうだといいなっていう俺の願望か?
もし鳴海が彰だったら、何て言うのか。そんなの考えていない。
ただ、もし鳴海が彰なら。ただもう一度面と向かって礼が言いたかった。
それから…………また、前みたいに話してぇな……
そんな事を考えながら、俺は廊下を歩いていた。
~担任 竜ヶ崎桐人side end~
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