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それから一週間と少しが経った頃だろうか。
今日も生徒会のヤツらの理不尽な睨みにムシャクシャしていた俺は昼休みにゆっくりする事にした。
生徒会のヤツらにちやほやされて転校生も満更でもないみたいで。今では皆でよろしくやっているようだ。
する事もないので屋上に行きフェンスに凭れるようにして座り、目を瞑った。
しばらくそうしていただろうか。人の気配がしたので静かに目を開いた。.........俺がいる時は、普段なら誰も来ないんだがな。
「.........お前......生徒会長.........いや、伊吹怜の親衛隊隊長か...」
.........コイツは確か.........書記の橘綾乃だったか。
相変わらず生徒会のヤツらは無駄に顔整ってて腹立つな。選定基準に顔も含まれてるんじゃないかと変な事を勘繰ってしまう。
コイツの黒い短髪も涼しげな目元も高い身長も今はやけにムカつく。
「...貴方は書記の橘さんですね?.........こんな所に何かご用でも?」
「.........静かに仕事をできる場所を探していてな...」
「.........という事は.........生徒会室は今何らかの理由で静かではなく、仕事をやりにくい環境であるという事ですか?」
「.........まあ、な」
俺を嫌っているからだろうが言いよどむ橘。部外者でしかも会長の親衛隊隊長の俺相手だしな。それか他言しにくい理由か。
「もしや、転校生が関わっていますか?」
一応聞いてみると当たっていたのか、驚いたようにこちらを見つめてくる。
「.........いえ、生徒会の皆さんは転校生をすごく気に入られたようでしたので」
「転校生を生徒会室に連れ込んでてな........おかげで騒がしくてたまらない」
そう言って橘はその事を思い出したのか不愉快そうに微かに眉を寄せた。
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