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「今思い出したんだよ」
「若、お変わりがないようで安心いたしました!!……またお会いできて感無量です…!!」
「……で、何しに来た。様子見なら心配はいらない。生徒会も段々よくなってきてるし、最近大きな問題は」
「組長……じゃない、お父様の命令です。若を守りつつサポートしろ、と」
…………あのバカ親父……余計なもの送り込みやがって……
……要は見張りって事だろ。俺が役目を忘れていないか。きちんと役割を理解し、行動しているかを見張るための。
「……で、いつまで若って呼ぶ気だ」
「あっ……えーと……な、何て呼んだらよろしいでしょうか…?」
「………………鳴海さんで」
「ええっ!!!そんな距離ある感じ嫌です!!」
そんな事言われても、この学校での俺の立場ってモノがあるんだよ。
「だったら他人って事にしろ」
「それはもっと嫌です…」
……だから面倒なんだよ……
ガシャアアアァァァアアアアン!!!!
その時、背後で何かが落ちてぶつかったような音がした。
何だ、一体誰……咄嗟に警戒しながら振り返った先には。
唖然とした表情で目を見開き、わなわなと震えている真樹がいた。
……予想通りで安心してしまう自分の順応性が嫌になった。
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