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「……あ、彰……ソイツ……ソイツ、は…」
……ヤバイ。真樹には組の事については伝えていない。…まあ、一般人に言っても信じねえだろうけども。
……まさか、八雲の口振りなんかで察したのか……?……クソ、面倒だな……
「……誰ですか。……まさか、若の敵ですか…?だったら排除します。若、許可を」
隣で一段階声を低くし、真樹を睨みつける八雲を横目に見て軽く舌打ちした。
……一般人かもしれない相手には最初はちゃんと普通に対応しろってあれほど言ったのによ……
「……違う、八雲………落ち着け」
「……若、ですが……気配もなく俺達にここまで近づくなんて絶対にありえません。……ただ者じゃないはずです……こちらから仕掛けなくては、万が一が……若にお怪我の一つでも負わせてしまったとしたら、俺は組長に顔向けできません。……それに、俺は若に怪我をしてほしくない……」
その八雲の言葉を聞いてか、真樹がびくっと一瞬だけ肩を震わせた。
……八雲の殺気を感じ取ったのか?……ヤバイな、ここで問題を起こす訳には……
八雲にはどれだけ言っても無駄だと判断した俺は、真樹に話しかける事にした。
「……真樹、落ち着いて聞け。コイツは」
「ち…………………………忠犬ワンコキャラktkrええぇぇええぇぇぇぇえええ!!!!!!」
真樹のいきなりの絶叫に俺だけでなく八雲も固まった。
……今、何つった?コイツ………………?
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