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とりあえず真樹の腹に思い切り膝蹴りを叩き込む。
「ぐふっ…………い……いいパンチだ………また腕を上げたな……彰……」
「パンチじゃねぇ、蹴りだ」
「ふ……彰は照れ屋だな」
「何がだバカ。頭湧いてんのか」
何故か満足げないい笑顔を浮かべたままの真樹を今すぐ殺っちまわないと、俺の気が済まない。
その後も床に倒れた真樹に蹴りを入れていると、後ろから肩を叩かれる。
「……どうした、八雲」
「いえ、あの……お二人はどういうご関係なんですか……?」
「よく聞いてくれたな、青年よ!!俺と彰は大親友(はあと)だ!」
「ただの顔見知り……あ、いや、他人だ」
「彰にとっての俺の存在って!?他人って……クラスメートですらないの?!」
「え、真樹ってクラスメートでしたっけ?」
「俺に対する認識!!」
いじけた真樹が隅っこに座り込んで体操座りを始めたのを横目に、八雲に耳打ちする。
「……八雲、ここにいたら誰の目につくかわかんねぇから、部屋に行くぞ。話は後だ」
「あ……は、はい、若!!」
「だから、若って呼ぶなって言ってんだろ」
「あ、すみません、若!!」
ダメだコイツ。話通じねぇ……っていうより……もしかして、無意識なのか?
いじけた真樹を完全放置で俺と八雲は部屋に向けて歩き出した。
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