4350人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋に着いた俺達が向かい合わせにソファーに腰掛けると、いつのまにか真樹が俺の隣に座っていた。置いてきたはずなのに。
真樹は一応空気が読めるヤツだと思う事にした俺は、落ち着きなくそわそわしている八雲に目をやる。
「……で、お前はこれからどうするつもりだ?」
「一応、若のクラスに編入する事になっています。……わ、若がご迷惑でなければ、ですが……」
「迷惑だ」
「彰冷たっ!!」
迷惑なものは迷惑だ。コイツがいたら余計な事言いそうだし、ボロが出たら困る。
「……うう……お、俺、精一杯頑張ります!…だから、またお側に置いていただけませんか……?」
懇願するような目を向けてくる八雲を見て、言葉を詰まらせる。
……だからコイツは嫌なんだ。この顔をしたら俺が逆らえないと知っているから。多分無意識にだろうけどな。余計タチが悪い。
「……俺の事について一言でも喋ってみろ。義兄弟の縁を切るからな」
「わ、若……!ありがとうございます!!」
「え、ちょっと、義兄弟って何それkwsk!!」
それまで静かにしていた真樹が急に話に食いついてきた。どうせなら最後まで黙ってろや。
戸惑ったように俺を見つめる八雲。多分、許可を待っているんだろう。
俺が微かに頷いてみせると、八雲も同じように頷いた。……のを見て、真樹は吐血していた。…………選択を間違えたかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!