既知登場

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部屋に着いた俺達が向かい合わせにソファーに腰掛けると、いつのまにか真樹が俺の隣に座っていた。置いてきたはずなのに。 真樹は一応空気が読めるヤツだと思う事にした俺は、落ち着きなくそわそわしている八雲に目をやる。 「……で、お前はこれからどうするつもりだ?」 「一応、若のクラスに編入する事になっています。……わ、若がご迷惑でなければ、ですが……」 「迷惑だ」 「彰冷たっ!!」 迷惑なものは迷惑だ。コイツがいたら余計な事言いそうだし、ボロが出たら困る。 「……うう……お、俺、精一杯頑張ります!…だから、またお側に置いていただけませんか……?」 懇願するような目を向けてくる八雲を見て、言葉を詰まらせる。 ……だからコイツは嫌なんだ。この顔をしたら俺が逆らえないと知っているから。多分無意識にだろうけどな。余計タチが悪い。 「……俺の事について一言でも喋ってみろ。義兄弟の縁を切るからな」 「わ、若……!ありがとうございます!!」 「え、ちょっと、義兄弟って何それkwsk!!」 それまで静かにしていた真樹が急に話に食いついてきた。どうせなら最後まで黙ってろや。 戸惑ったように俺を見つめる八雲。多分、許可を待っているんだろう。 俺が微かに頷いてみせると、八雲も同じように頷いた。……のを見て、真樹は吐血していた。…………選択を間違えたかもしれない。
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