4350人が本棚に入れています
本棚に追加
「とりあえず、真樹。お前は自分の部屋に帰れ」
「ええー……俺は別に床でもいいのよ……?」
「何でお前まで居る気なんだよ。自分の部屋があるだろ帰れ」
「いーやーだー!彰と八雲の絡み見たいー!!できれば濃厚なのー!」
子どもみたいに喚く真樹を無理やり部屋から追い出して戻ってくると、何故か八雲が床に頭を擦り付けるようにして座っていた。.........土下座ってコイツ.........
「……何やってんだ、お前」
「若の下に徹するべき立場である俺が若と同じ部屋に住まわせていただくなんて本当はダメな事だという事は重々承知しています。…だけど、俺はできる事ならいついかなる時も若のお側にいたい。……ですから、せめて感謝を捧げたく」
「本当に堅苦しいヤツだな……どうでもいいからやめろ。お前にそんな事がさせたい訳じゃない」
「そうはいきません!……若の優しさに甘えているのは事実です…………若、本当にすみま」
「……すまないと思うなら尚更やめろ。お前は普段通りしていればいい。…………聞き分けが悪いヤツは、嫌いだ」
そう言ってみせると、強情に意地を張っていた八雲が慌てたように立ち上がった。……扱いやすいヤツ。
「わ、若……このご恩も決して」
「…一つ言っておくが、人前で若って呼んだり家の事喋ったりしたら義兄弟の契りはなかった事にするからな」
「ひ、ひいっ………………し、死んでも言いません……!!」
ここまで言っておけば流石のコイツも簡単に口にはしないだろう。
というよりも、義兄弟の契り>命なのか?相変わらずだがコイツの価値観はおかしくないか?
最初のコメントを投稿しよう!