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「そ、それで、あの……俺は若を何とお呼びすればよろしいですか?」
「鳴海さんで。俺は神永さんって呼ぶからちゃんと返事しろよ」
「うう………若が遠い……」
「…………はあ……じゃあ、もう彰でいい」
「……え、えええ、えええええええええええっ!!!!!?」
急に八雲が大きな声を出したかと思うと、わたわたと不思議な動きをし始めた。
「何だ不満ならそう言え。…どうすればお前は満足するんだ」
「ふ、不満なんてとんでもないっ……!!……で、でででも、俺なんかが若の……その……お名前を……」
「面倒くさいヤツだな……いいから呼べ。……八雲」
「う……あう…………あ……あき、あ…………あ……あき、ら…………さん」
「…………さんはいらない」
「お、俺にはこれが精一杯です…!……身に余る光栄……!!」
「…………わかった。とりあえずそれでいい。俺はもう寝るからな」
これ以上八雲に関わるのは疲れそうだと判断した俺は、八雲に好きに過ごすように告げて寝室に向かう事にした。
「あ……で、では、今日はこのソファーをお借りいたします……若。何か入り用でしたら、すぐに俺をお呼びください。俺はここにいますので。必ず、若を守り抜きます……」
「……お前がいるから心配はしていない。明日辺りにでもお前がここに住めるように正式に手続きをしてこい。……じゃあな」
「……若…!…勿体ないお言葉を……!!……お任せください!俺が必ず若にきちんとした睡眠をお届けいたします」
やる気を出したように見えたが、とりあえずスルーを決め込む事にした。
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