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「俺達は用事があって来てんの。悪い事は言わないから邪魔すんなよ。つうかコイツダチだしさ」
「そうそう。人探ししてるだけですー。わかるか、眼鏡くん?」
「真面目な眼鏡は大人しく机とにらめっこしてろっつーの!」
俺を敵ではないと見なしたのかあからさまにバカにしたような態度をとる男達。
取り囲まれている男子生徒は殴られたのか、唇の端から血を流している。
「…………見つけるのが遅くなってすみません。今助けますのでもう少しだけ辛抱していただけますか?」
できるだけ刺激しないように優しい声音で話しかけたつもりだ。
男子生徒はその言葉が自分に向けられたものだと気づいたのか、微かに頷いて見せた。
「……オイてめぇ……俺らを無視するなんていい度胸じゃねぇか」
「……失礼しました」
「わかればいいんだよわかれば……わかったらとっとと散れや眼鏡」
へらへらと軽薄な笑みを浮かべた男が俺の胸ぐらを掴む。
腹立たしい事に相手の方が少し背が高いので必然的に見上げるような姿勢になる。
「……んあ?……オイ、見ろよ」
「何だよ?………………うっお」
俺を交互に見つめたヤツらが下卑た笑みを浮かべた。……何だこの全身なめ回されてるみたいな気持ちが悪い視線は。
理由はわからないが激しく不愉快だ。……今すぐ殴り付けてやりたい。
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