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「いいですよ」
「えっ?い、いいのか.........?」
「橘さんがそうおっしゃったのに、何故驚いているんですか」
「あ、いや.........まさか引き受けてくれるとは.........ダメ元というか.........断られるだろうと思っていたから.........」
「別に構いませんよ、私も今は急ぎの仕事はありませんし.........ですが、橘さんはいいんですか?私は、会長の親衛隊隊長、ですよ?橘さんだって私の噂を知らない訳じゃないでしょう」
「いや、それについては.........俺は自分の目で実際に見たものだけを信じるようにしているから。.........鳴海の噂がどうであれ、不確かな事で対応を変えてしまうのは俺のポリシーに反する」
へえ.........意外にまともな考え方してんだな。噂を信じきって俺に接してくる生徒会のヤツらとは大違いだな。
橘に対して、他のヤツらより好感を持てた気がした。まあ他のヤツらに対してが底辺だというのもあるが。
「そうですか。では、そうですね.........学園でするのは気が進まないので場所を変えませんか?こういう事をするのに相応しい場所を知っていますので」
「ああ。わざわざすまない」
そして俺達は午後の授業をフケて、学園の近くにある喫茶店に行く事にした。
店主とは付き合いが長いし、あそこは居心地がいいからな。
俺の半歩後ろぐらいを律儀に距離を保ってついてくる所が、コイツの性格がよく表れている気がする。
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