邪魔者襲来

20/25

4322人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
そして目的の喫茶店に着くと、俺達は隅のなるべく日が当たらない場所に座った。 「ここにはよく来るのか?」 「ええ。静かに過ごしたい時とかに、少し」 そして店のコンセントに持参したパソコンを繋ぐ。俺達以外には客がいないようで、静かだ。 「では、仕事を見せていただけますか」 「ああ。これなんだが……鳴海はどれならできそうだ?」 見せてもらった仕事の数を見て思わず俺は固まる。 「……クソ……生徒会のヤツら一週間殆ど無能じゃねぇか……やる事もしねぇで転校生構い倒すとはいい度胸だな……」 「!?…………な、鳴海……?」 突然の俺の口調に驚いたのか橘が俺を見つめる。やべえ、無意識に口に出してた。 下手に取り繕うのもアレなので、俺は何事も無かったかのように橘を見つめ返した。 「……では、これとこれを私のパソコンに送って下さい。生徒会や生徒の情報に関する仕事は送らなくていいですよ。流石にそこまで信頼していただけるとは思っていないので」 「あ、ああ。じゃあ……」 何となく釈然としていないようだったが、言われた通りに俺に仕事を送る橘。 俺は仕事が送られた事を確認すると、早速取りかかった。まあ、簡単な書類整理とかだ。 最初は心配そうに俺を見つめていた橘だったが、俺が予想よりできるとわかったのか、黙って自分の作業を始めた。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4322人が本棚に入れています
本棚に追加