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そして目的の喫茶店に着くと、俺達は隅のなるべく日が当たらない場所に座った。
「ここにはよく来るのか?」
「ええ。静かに過ごしたい時とかに、少し」
そして店のコンセントに持参したパソコンを繋ぐ。俺達以外には客がいないようで、静かだ。
「では、仕事を見せていただけますか」
「ああ。これなんだが……鳴海はどれならできそうだ?」
見せてもらった仕事の数を見て思わず俺は固まる。
「……クソ……生徒会のヤツら一週間殆ど無能じゃねぇか……やる事もしねぇで転校生構い倒すとはいい度胸だな……」
「!?…………な、鳴海……?」
突然の俺の口調に驚いたのか橘が俺を見つめる。やべえ、無意識に口に出してた。
下手に取り繕うのもアレなので、俺は何事も無かったかのように橘を見つめ返した。
「……では、これとこれを私のパソコンに送って下さい。生徒会や生徒の情報に関する仕事は送らなくていいですよ。流石にそこまで信頼していただけるとは思っていないので」
「あ、ああ。じゃあ……」
何となく釈然としていないようだったが、言われた通りに俺に仕事を送る橘。
俺は仕事が送られた事を確認すると、早速取りかかった。まあ、簡単な書類整理とかだ。
最初は心配そうに俺を見つめていた橘だったが、俺が予想よりできるとわかったのか、黙って自分の作業を始めた。
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