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仕事を始めた俺は部費などの使用履歴と情報をチェックする。
ん、水泳部の部費明らかに多すぎるのに毎年ギリギリまで使ってある。.........これは誰かが横領してそうだな。
こんなのにも気づかないくらい無能な生徒会なら入れ替えた方がいいかもな.........
でも生徒会のヤツら皆学園の中でも一番っつーくらい力持ってて人気あるヤツらばっかりだしな.........クソ、面倒だな.........
そして時間は経ち、仕事を終えた。思ったより時間がかかったな。
「終わりましたね」
「ああ.........終わってよかった.........本当にありがとう、鳴海.........鳴海がいなければ到底終わらせる事などできなかっただろう.........感謝している」
「.........」
「.........鳴海?」
「あ、いえ.........私も無事に終わって安心しました」
.........他人から礼なんて言われたの久々すぎて思わず少しびっくりしてしまった。
「.........これ、サービスです。お代はいりませんので」
そんな時、店主がコーヒーを持ってきてくれた。寡黙な人柄だから、要件だけを告げるとすぐに引っ込んでしまった。
「.........これは.........いただいてもいいのか?」
「せっかくのご厚意ですし、いただきましょう。確かに少し疲れましたし。橘さんもでしょう?」
「ああ.........そう、だな.........では、いただこう」
そして俺達はありがたくコーヒーを飲む事にした。
さりげなく向かいの橘に目をやると、コーヒーに角砂糖を入れる入れる.........1、2、3.........ダメだ、数えたくない。
「あ、あの.........橘さん.........その角砂糖は.........」
「.........実は、その.........俺は甘党で.........苦いモノは一切ダメなんだ」
少し恥ずかしそうに顔を伏せる橘は、混ぜにくそうなそのコーヒーをマドラーでジャリジャリと音を鳴らしながら混ぜたかと思えば、旨そうに飲んでいる。
「.........あの、橘さん。ブラックも美味しいですよ。.........モノは試しという事で、少し飲んでみませんか?」
俺はちょっとした遊び心で自分のコーヒーを勧めてみた。
「.........しかし、それは.........見た所、鳴海は一つも砂糖を入れていなかっただろう?.........苦くはないのか?」
「はい、全然」
まあ、嘘だが。俺は平気だが結構苦いし。
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