危機続出

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「……で、結局貴方は何で私にこんな事を?」 「俺の気持ちと、お前に好意を抱くヤツらがお前にしたい事が何なのかを理解させたかっただけ」 「……はあ?」 「男ってのはどうしても、好き=セックスに繋がりやすいからな。お前を好きなヤツがお前に無理矢理迫らないとは限らないだろ。その予行練習、みたいな?」 「私を、好き……?……何の冗談ですか。私は会長の親衛隊隊長の鳴海彰ですよ?変な噂も飛び交ってますし、私なんかを」 「その油断が命取りだな。いいか、お前は無防備すぎる。隙がないようなヤツほど実際は隙だらけなんだよ。もっと警戒しろ。気安く触らせるな」 保険医が言う事がいまいち飲み込めない。俺が、隙だらけ…? 「何でそこまで私を気にかけるんですか?」 「言っただろ。お前に目をつけたんだ。誰にも奪われたくない。奪わせない。それだけだ」 「……何で、私を…」 「理由なんて何でもいい。俺はお前を抱きたい。今だってすっげぇ我慢してんだよ。泣けてくるだろー。目の前にご馳走が無防備に転がってんのに、一思いに食えずに我慢してるなんてよ。どうだ、可哀想な俺のために抱かれたくなったか?」 「なる訳ないでしょうが。というより、何故私が抱かれなければいけないんですか」 「……え、もしかしてお前、俺の事抱きたいの?……やだ、鳴海クンのむっつり……」 「違います!!気持ち悪い事言わないでください!!!そうじゃなくて、抱きたいだけなら女性でいいでしょう。何で男の私なんかを」 「俺はお前がいいんだよ。他でもないお前が。確かに女のが抱き心地もいいし、楽だぜ?勝手に寄ってくるしな。でも、俺はお前がいい。……好きでもなきゃ、手間かかる男なんか抱きたいなんざ思わねぇよ。理由なんてそれで十分だろ」 男を……抱く…………いまいちピンとこない。そもそも、他人を抱きたい…って、どういう気持ちなんだ?
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