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「お前さ………やっぱり不意に可愛いよな」
「……はぁ?」
「そういうさ……不意討ちされたら、俺がどんだけ揺さぶられるかわかってる?今の状況理解してんのか?……あーもう、純粋って怖い。俺、今回色々学んだわ……」
「……何を言ってるんですか?」
不意に俺の上にいた保険医が身動ぎ、俺に覆い被さるようにして顔を近づけてきた。
抵抗するように顔をそっぽに逸らそうとすると、首元に熱い息がかかり、思わず震えた。
「……そういうさ、口は一人前の癖にこういう事されたら生娘みたいにウブな反応見せたりさ……嗜虐心を煽るっつうか……いかがわしい事をしたくなるっつうか……しなきゃいけない気になるっていうか……」
「……バカにしてます?」
「してませんー。むしろ尊敬してる。お前はそのままでいてくれよ、鳴海」
「……知りません」
何だか小馬鹿にされているような感じがムカついたので、顔を思い切り背けてやった。
「……はぁ……だから、そういうのも逆効果だってそろそろ理解しような…」
「……貴方の言い方は、回りくどくて嫌いです。簡潔に言ってくれないとわかりません」
「簡潔にってお前…………お前がいちいち可愛いからめちゃくちゃに犯したいって言っていいのか?それとも、声が枯れるまで啼かせたいって」
「鳴海!!!無事か!!?」
ふいに、保険医の言葉を遮るように慌ただしく保健室の扉が開いた。
入ってきたのは、走ってきたのか呼吸を乱している橘だった。
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