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「……橘さん?どうして……ここに……?」
「先程、陸と会って……お前がここにいると聞いたんだ……何か大きな怪我でもしたのかと心配で……いてもたってもいられなかった。すまない」
「……心配させてしまったんですね。すみません」
「あ、いや、俺が勝手に心配しただけ……で…………き、如月、先生……!!?…………な、鳴海に何を……!!!!?」
息を切らしていた橘が俺を見据えて、ぎょっとした顔をした。
……そういえば上に保険医が乗ったままだった。……クソ、油断した。やっぱり蹴りあげてどかせばよかった……
「やっ、誰かと思えば橘くんじゃねぇか。いつのまに鳴海と仲良くなったんだ?妬けるねー」
「………それは……以前、生徒会の仕事がたまっていた時に鳴海に手伝ってもらって……」
「ちょっと、如月先生。話す前にまず退いてください。橘さんもこんな人の質問に律儀に答えなくていいですよ」
「あっ、つれないなー、鳴海………………さっきまで、あんなに仲良くしてたのに……なぁ……?……さっきまでの可愛い態度はどうした……橘の前じゃ、恥ずかしいのか……?…………可愛いねぇ……」
「息、を、吹き掛けるな!!鳥肌が止まりませんから!!とにかく、どいてください!!」
保険医を無理やり押し退けてどかしてから、俺はとりあえず体を起こしベッドに座った。
多少手荒な事をしたが、この保険医ならさして気にはしないだろう。
……クソ……こんなヤツでも一応教師だからって遠慮しなきゃよかった。やっぱり沈めておけばよかったな。
状況が掴めていないのか、橘は戸惑ったような顔で俺と保険医を交互に見つめている。
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