危機続出

36/38
前へ
/473ページ
次へ
「……橘さん?どうして……ここに……?」 「先程、陸と会って……お前がここにいると聞いたんだ……何か大きな怪我でもしたのかと心配で……いてもたってもいられなかった。すまない」 「……心配させてしまったんですね。すみません」 「あ、いや、俺が勝手に心配しただけ……で…………き、如月、先生……!!?…………な、鳴海に何を……!!!!?」 息を切らしていた橘が俺を見据えて、ぎょっとした顔をした。 ……そういえば上に保険医が乗ったままだった。……クソ、油断した。やっぱり蹴りあげてどかせばよかった…… 「やっ、誰かと思えば橘くんじゃねぇか。いつのまに鳴海と仲良くなったんだ?妬けるねー」 「………それは……以前、生徒会の仕事がたまっていた時に鳴海に手伝ってもらって……」 「ちょっと、如月先生。話す前にまず退いてください。橘さんもこんな人の質問に律儀に答えなくていいですよ」 「あっ、つれないなー、鳴海………………さっきまで、あんなに仲良くしてたのに……なぁ……?……さっきまでの可愛い態度はどうした……橘の前じゃ、恥ずかしいのか……?…………可愛いねぇ……」 「息、を、吹き掛けるな!!鳥肌が止まりませんから!!とにかく、どいてください!!」 保険医を無理やり押し退けてどかしてから、俺はとりあえず体を起こしベッドに座った。 多少手荒な事をしたが、この保険医ならさして気にはしないだろう。 ……クソ……こんなヤツでも一応教師だからって遠慮しなきゃよかった。やっぱり沈めておけばよかったな。 状況が掴めていないのか、橘は戸惑ったような顔で俺と保険医を交互に見つめている。
/473ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4356人が本棚に入れています
本棚に追加