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「な、鳴海……ここで、先生と何を……?」
「…………それは……」
「気持ちいいコト」
「「なっ!!!??」」
「何で鳴海まで驚いてんだよ。しただろ?気持ちいいコト」
「な、な、ななな、なる、なっ、鳴海…」
「変な言い方しないでください。していただいたのは治療だけです。橘さん、信用しないでください。こんな人の言葉を」
「あ、ひどい言い様。えっちな事してたのは事実じゃん。その証拠に、鳴海の首。…橘クンなら見えるんじゃないの?」
保険医の言葉に、橘が俺の方に目をやる。油断してつけられたキスマークなんて恥でしかない。
見られたくなかった俺は咄嗟に手で首を隠した。……あからさますぎか?
「……!!!!……まさか、そんな……」
「わかったか?……あ、そうだ。俺は満足した。お迎えも来たし…帰っていいぞ、鳴海」
「……今まで散々引き留めておいて……勝手な人ですね」
「…………やだ、鳴海ってば。それは、俺と別れるのは寂しいからもっと側にいたいよーっていう可愛いおねだり?俺、もうちょっと頑張っちゃおうか?」
そう言うなり急に保険医が俺の頬に唇を押し当ててきた。
予想外の行動に完全に反応できなかった俺に構う事なく、保険医にそのまま音をたててキスをされて一気に頭に血がのぼった。
「…………て、めぇ、なぁ!!!!! 」
他人の舌が頬を伝う感覚は言葉にできないくらい不快で、俺は咄嗟に意識を飛ばしかけ、そのまま保険医に殴りかかった。
「うわっ、おっ、とっ、と!!?今本気だったな!?教師相手にお前……!」
紙一重で俺の拳を避けた保険医は微かに焦りの滲んだ声で不満をもらした。
俺は力の限り殴ってしまいそうなのを必死にこらえ、保険医を睨み付けた。
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