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学園に辿り着いた時にはすっかり日が落ち、夕陽が空を橙色に染めていた。
「今日は本当に助かった.........改めて礼を言わせてくれ、ありがとう」
「いえ、礼には及びません。私も生徒会の仕事に触れられて色々参考になりましたし」
生徒会がどれだけ仕事できないかとかな。
「そう言ってもらえるとありがたい。では.................あの、また何かあったら頼らせてもらってもいいだろうか.........?.........いや、鳴海が迷惑でなければ.........だが.........」
俺相手におずおずといった感じに頼む橘が何だかおかしくて、また思わず笑ってしまった。
「ええ。私でよければ」
「~っ.........あ、ありがとう.........じ.........じゃあ.........な」
「はい。では」
別れ際の橘の顔が何だかうっすら赤かった気がした。夕陽のせいか?
そして寮に帰ろうと歩き出した瞬間。目を爛々と輝かせる、見かけたら即通報したくなるような顔をした真樹がいた。
「.........彰.........何て野郎だ!!生徒会やBLには興味ないとか言っといて.........俺に内緒で書記と秘密のお出かけなんてっ!フラグはバッチリってかこの野郎!!!」
上機嫌な真樹が俺の肩や背中をばしばしと叩いてくる。
「.........何を訳がわからない事言ってるんですか?私がいつそんな事しましたか?昼間からそんなに惚けた事ぬかすのもいい加減にしないと、顔面へこませて今以上に見れない顔にしてさしあげますよ.........?」
「いだいいだいいだいいだい!!!ちょ、彰っ.........ダメッ.........潰れるっ!!もう既に半分は潰れてるから!!!」
「喋る余裕があるならまだ平気ですね、もう少しいっときますか」
俺は真樹の顔面をわしづかんでいる手に力を加えた。
「あ、ちょ、やめてっ!彰力強いから中身出ちゃう!!壊れちゃうよぉ!!!」
「もういっそ出してしまっては?」
「いやああああ!!それ何てSM.........!彰、実はそっちの人なんじゃ.........やだこんな人通りの多い所でSMプレイなんて彰マニアッk」
「潰しましょう」
校庭に真樹の断末魔が響き渡った。
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