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「.........くだらない話をしていたらお腹が空きました。.........真樹、何か作ってください」
「んあ?いいよー」
そう言うと真樹は台所に行った。すぐに料理をしている音が聞こえてくる。
「.........橘、か...」
今日の出来事を思い出す。
初対面でしかも悪い噂しかない親衛隊隊長の俺に仕事を手伝ってくれと言ってきた橘。
それにしてもよく頼めたよな、アイツ.........全校生徒にもれなく毛嫌いされてる俺なんかに。
仕事をそつなくこなしたり綺麗にまとめたりするのとは裏腹に、甘党で少しガキくさかったり。
コーヒーでむせてる時は笑ったな。あんなに苦手なら、俺に言われたからって素直に飲まなきゃいいのに。
「できたぞ、彰ー!俺特製の簡単作りおき料理!!ビーフストリョガノヒュっ.........」
「.................」
「.........いや、うん.........ビーフストロガノフです......」
盛大に噛んだせいか、若干顔を赤らめた真樹がビーフストロガノフとやらを差し出す。
「.........いただきます。.........ん、美味しいですよ」
「!.........そ、そっか!!まあ、わかってるけど!俺にかかれば料理の一つや二つ!晩飯前だぜ!!」
いきなりテンションの上がる真樹。つか晩飯前じゃなくて朝飯前だろ。確かに今の時間は晩飯前だけど。
「でも惜しむらくは料理って受けスキルくさいんだよな.........料理がうまいあの子にドキッみたいな」
「?.........そんなにその受けというのが好きなら真樹がなればいいじゃないですか」
「だが断る!!腐男子の鉄則は何か?その一、観察は忍のごとく影は薄く!その二、萌えのためならどんな危険もいとわない!その三、あくまで傍観者であること!自分が当事者になるなんて言語道断である!!これが腐男子の鉄則だ!!でも俺以外の腐男子受けは大好きです!!俺以外の腐男子は皆総受けになーぁれ!!」
「.........言ってる事は全く理解できませんが、真樹が気持ち悪い事だけは理解しました」
「おふっ、何も理解されてない!?てか俺は欲望に忠実なだけでキモくは」
「だから気持ち悪いんですよ」
「う、うわああぁあああああん、彰が酷いよぉおおお!!!」
何やら騒ぎだした真樹を適当におさめ、そのまま夕食を食べ終えた。
真樹が自分の部屋に帰ってから、仕事をしたりした後、俺は眠りについた。
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