日常微変化

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次の日、教室に行く気が起きなかった俺は、屋上に来ていた。 フェンスにもたれ掛かるようにして背中を預けて目を瞑る。.........ここは静かだから落ち着くんだよな。 俺が若干微睡みかけた時だった。屋上の扉が乱暴に開く音がしたかと思えば、どすどすと騒がしい足音が近づいてくる。 「あ、彰、こんな所にいたのか!探したんだぞ!!」 ......幻だと思いたい。......不幸ってのはこうも続けて起きるものなのか? 嫌々ながら目を開け、目線を微かに上げると、案の定そこにはもさもさと鬱陶しい水嶋が立っていた。 「彰、制裁やめろって言っただろ!今日も六人来たぞ!!」 ...親衛隊のヤツら、懲りもせずにまたコイツを襲ったのか。...つうか六人相手に立ち回ったのか。中々やるじゃねえか。 「第一何で俺に制裁するんだよ……訳わかんねぇ!!俺の事好きなら素直に言えよ!構ってほしいからってこんな荒々しい事されても何も嬉しくないぞ!」 ……はあ?……本当に何なんだよコイツ……どうやったらこんなぶっ飛んだ思考回路になれるんだよ。 俺が呆れ果てているのにも気づかずに何かを喋り続けている水嶋を見ていると、ふとすべてがどうでもよく感じてしまった。 ゆっくりと立ち上がり、俺より下にある水嶋の目線に合わせながらため息をついた。 「…………お前さ……本当にわからねぇのか?自分が何度も制裁されかけた理由が」 「え……?……あ、彰……?」 突然の俺の豹変に驚いたのか、水嶋が俺を不安げに見つめてくる。 「...お前が襲われるのは、いつも生徒会とつるんでるからだ...って事まではいくらお前でも理解できるな?」 「……お、俺が生徒会と仲良くしちゃ悪...」 「悪くねぇよ。正直俺はどうでもいい。...でもな、よく思わねえヤツはいるんだよ。...好きなのに近づけないような相手に、自分よりもダサいヤツが近づいてたらお前だって嫌だろ?何で自分はできないのにアイツが...って思うだろ?」 「……だったら、俺はどうしたら」 「だから、お前がつりあうようになればいいんだよ」 「……え?」 水嶋が訳が分からないといった感じにポカンとした顔で俺を見つめる。 ......ここまで言ったんだから理解しろよ。面倒なヤツだな。
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