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「身を守るためだか何だか知らねぇけど、そんなダサい格好してんじゃねぇよ。そのお綺麗な素顔でいけばいいだろ。第一、この学園にお前と敵対してた族がいたら何なんだよ。もし襲われても元総長だろ、撃退くらいできんだろ?それともそんな自信もねぇか」
「!……な、何でそんな事知って」
「...んな事どうでもいいだろうが。生徒会と仲良くしてぇならその変装をとけ。......わかったらもう話しかけてくんな。お前鬱陶しいんだよ」
それだけ言って立ち去ろうとしたら、水嶋に急に腕を掴まれた。
「...あ?何してんだ、てめ」
「あの、ありがとう!」
「…………はぁ?」
「俺、襲われる理由なんか考えた事もなかった!ありがとう。俺、変装とくよ。アドバイスサンキュー」
「アドバイス…?…バカか、お前……アドバイスじゃないだろ」
「ううん、結果的に彰が教えてくれた事に変わりはないからな。...あと俺誤解してた、ごめん。制裁の指示、本当に彰じゃなかったんだな」
「……何でそう思う」
「だって、そうじゃなきゃ変装とけばいいなんて教えてくれないだろ。彰が命令してるなら尚更だ。俺がやられた方が都合がいいだろうし。でも彰は教えてくれた。自分に不利益なら教えないだろ。だから彰じゃない」
コイツ……ただのバカじゃなかったのか。一応、それぐらいは理解できるんだな。
「……帰る」
「あ、彰!!俺、そっちの口調の方が好きだぞ!いつものも綺麗だけど、今の方が本音で会話できてるみたいで嬉しいし! 」
俺は水嶋の言葉をシカトして屋上から去り、校舎内を徘徊する。
「どいつもこいつも何なんだよ……」
何故あそこまで態度を急変できるんだよ……俺には理解できないな。
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