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そして教室に行くと、水嶋がまた藤堂や佐伯と一緒にいる。生徒会の中では会計のヤツらと一番よろしくしてんのか?
「あ、彰!やっと来たか、心配したんだぞ!!」
水嶋に笑顔でそう話しかけられる。変装はといたらしく、コイツを見る周囲の目もいつもとはどこか違うようだ。
「そうですか。余計な心配をかけてすみませんでしたね」
「いや、俺は彰の友達だからな!心配するのは当たり前だろ!!」
何故か照れ臭そうにはにかむ水嶋。いや違うだろ、今の皮肉なんだよ。気づけよこの野郎。
「あ、彰ー!おはやっぷー!!」
「……では」
「あ、ああ!またな、彰!真樹にもよろしく」
こっちに向けて手を振る真樹に内心少し……本当に微量だが感謝しつつ自分の席に向かった。
「……あのさ、今朝いきなり王道くんが変装といてきたんだけどさ……彰、何か知ってる?」
「いえまったく」
「そうか……前より総受け感増したのはいいけど、何か外すタイミングが不可解というか……まあそれは置いといて!!俺のここ何日かの観察により、生徒会の王道くんに対する相関図を書いたぞ!」
そう言って真樹が俺には心底どうでもいい変な表みたいなものを見せびらかす。 何だこれ……矢印ばっかりだな。
「あのな、まず藤堂な。コイツは水嶋を好きだな。だけど純粋に友達として、だろう。初日に物怖じせず話し掛けたり、媚びたりしなかった水嶋だから好きになったみたいだ。本人は至ってノーマルで、むしろ男同士とかありえねぇ!!って感じだ。次に副会長は無論ベタ惚れだな。もう水嶋大好きな。会うたび会うたびべたべたべたべた、美味しい限りだ。もうアレだな、ビバ王道……この一言につきる。…………聞いてる?」
「ええ、聞いてます」
嘘だ、何も聞いてなかった。しょうがないだろう、興味がない上に、生徒会についてとか……聞く気すら起きねえ。
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