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「真樹、貴方はどうしてさも当たり前のようにここでくつろいでいるんですか」
「え、だってもうここ俺の第二の部屋的な感じじゃない?見てこの馴染みよう。俺もう部屋の一部みたいでしょ。てかむしろ部屋が俺の一部的な?」
「何を言ってるか全くわかりません」
「もう、彰はつれないなー」
「で、用件は?」
「それはもちろん転校生について!!」
「...貴方もですか」
予想通りの返答に思わずため息がもれた。どいつもこいつも何でそんなに転校生に興味津々なのか。
「当たり前だろ、腐男子として転校生イベは見過ごせない一大イベントだぜ!?この学園に入学してから、この日をどれだけ待ち望んだ事か...!!さあ、早く調べようぜ!!!」
「......調べはしますけど、見せませんからね」
「嫌だ嫌だ俺も見るー!!」
「だだっ子ですか」
仕方がないので、転校生について調べてみる。それはもちろん、理事長に教わった秘密の方法でだ。
「......ん。情報、細工されてるみたいですね」
「うっひょー、細工されてるって事はこりゃ確実に訳ありで変装のパターンだよな王道転校生ktkr!!ふっふっ腐......わくわくが止まんねぇぇえええ!!」
横で興奮してる真樹は相変わらず気持ち悪い。......いつもの事だが。
「...これは...本当に変装している.......上に、元は族の総長ですか。二つ名は光姫?......これは笑うべきですか?」
「二つ名とか中二乙wwつか素顔綺麗だしやっぱ王道......神は俺を見放していなかったな!!おお、神よ!!!」
いっそ見放されてしまえばいいのにな、本当に。興奮して空を仰ぐ真樹を冷ややかな目で見つめる。
「......で、親衛隊隊長様は転校生君に何か一言あるかなっ?」
真樹がふざけてボールペンをマイクの様にしてこちらに向けてくる。
「......一言、ですか」
「何でもいいぞ!あ、愛を囁きたいってんなら喜んで!!!」
妙に期待した感じの真樹が腹立たしい。...俺がそんな事言う訳がないとわかっているだろうに。
そこで、俺はにっこりと微笑んで言ってやった。
「面倒事を持ち込んでくれてありがとう。お陰様で当分暇が無くなりそうですよ」
「っ.........うはっ!!期待とは違ったが、それもまた王道!!いいねぇ、転校生を毛嫌いする親衛隊隊長っ!!!こりゃ王道の匂いがぷんぷんしやがるぜっ!!」
何故か更にテンションが上がった真樹が俺には本当に謎だ。
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